津村記久子 レモンヘッズ

■ 過去の過ち GIMME INDIE ROCK !

 島田潤一郎『90年代の若者たち』(岬書店)を読み終えて、チャゲアス動画をひとしきり漁った後、本で触れられていた(pp.59-60)ペイヴメントのライナーノーツを手に取った。『ブライトゥン・ザ・コーナーズ』の該当箇所で微笑んでから『ワーウィー・ゾーウィー』に目を通すと、中でS.M.が「ゲフィンの新人バンド」を揶揄していた。当時、発言を真に受けた自分は愚かにも  jawbreaker『dear you』と aimme mann『i'm with stupid』の購入を見送ってしまった。どちらもペイヴメントよりキャリアがあるのを知らずに。ジョウブレイカーはニルヴァーナ(それこそD.G.C.ですが...)のオープニング・アクトを務める予定だったと知って探し求めたが、それも三枚目までで、『dear you』に関してはjets to brazil 来日の時でさえ食指が動かなかった。エイミーマンは映画『マグノリア』で再認識して、津村記久子『エブリシングフロウズ』(文藝春秋)を読んで、ようやっと聴く気になった。

“I wanted them to be huge but...” 

  ■ インディーキッズ悔い改める BORN AGAINST

 津村記久子、少し前に『群像』2020年11月号所収の短編を読んで、『ディス・イズ・ザ・デイ』以降の作品を読まないでいたことを後悔した。UFJに引いていたのかなあ。

 ■ 君の名は? I forget to forget

 とにかく新刊は絶対買うとして、今は『八道筋カウンシル』(朝日文庫)を再読、斜めに読んでいたら、文中に「ボストンのグランジバンド」とあり(p.128)、珍しく具体名の無いことに胸騒ぎを覚えた。

 分かりませんでした DAMAGED Ⅱ

 boston grunge bands で検索すると無数に出てきた。内容から推し量ろうにも無理だった。いっそでっち上げで以下、pixies, breeders, lemonheads, juliana hatfield, throwing muses, belly より選びたい。dinosaur jr, bufallo tom はアマーストのバンドと見做して意図的に除外した。bullet lavolta とか upsidedown cross とか、挙げだしたらキリが無い。選定は何となく92~94年の間で、「anyone can play guitar」は93年だが、平場でもCDの入手が容易そうなアーティスト、要は国内盤の有無を重視した。グランジの定義については考えない。まずは作者の意見を参考にする。 

 

(略)『君は永遠にそいつらより若い』を分解したのが『ミュージック・ブレス・ユー!!』と『八番筋カウンシル』(後略) 

   著者インタビュー:きらら from BookShop (shosetsu-maru.com)

 

 次に「ボストン」を手掛かりに残りの作品を飛ばし読みすると『ミュージック・ブレス・ユー‼』(角川文庫)はレモンヘッズ(p.108)、『君は永遠にそいつらより若い』(ちくま文庫)には...見つからない!けど、これは多分「LUKA」だ。

 深澤真紀との共著『ダメをみがく“女子”の呪いを解く方法』(集英社文庫)を捧げられている(p.305)方は、以前、ロッキング・オンでレモンヘッズ『カモンフィール』の紹介をしていたような気がするのだが、確認は今後の課題としたい。

 以上、「LUKA」の歌詞内容を元に『君は永遠にそいつらより若い』内の或る場面について当て推量を行ったところ、何の根拠もないけれど『八道筋カウンシル』内における「ボストンのグランジバンド」とはレモンヘッズである可能性が考えられなくもない、と思うのです私は。

 ■ Banned in Osaka !? 

 だから何なんだという結果に終わってしまった。これが無料の弊害か?でも久しぶりに読み返したら楽しかった。暢気にしていたら、以下のインタビューを発見した。

 

 

おわり

 

反省:当初は『ポースケ』(中央公論新社)をアナキズムに関連させて語るつもりだったが、本田圭佑のグレーバー推しに対する反応を見て怯んだ ジョウブレイカーのドキュメンタリーは見ていない ダイナソーではない理由も定かではない