勝手に着ろ

 書きながら考えているのは、奥にあるはずのコートについて。

 禁酒を続けているのに減らない体重が不思議だった夏、私は毎日のように甘菓子を食べ、甘い飲み物を飲んでいた。アメリカ人は中年でも炭酸飲料を飲むしな、と決まって映画「リトル・ミス・サンシャイン」の一場面を思い浮かべ、酒欲を封じるためにコーラを買い、その場で一気に飲み干すと体が重かった。

 それで、試しに緩い感じの砂糖断ちにトライしてみた。辛かった。痩せたが異常に辛かった。今もチョコレートが食いたくて仕方がない!なぜか?磯崎憲一郎『赤の他人の瓜二つ』(講談社文庫)を読んだから。面白かった。安藤礼二の解説も熱くて良かった。

 オーセンティック・スカのドラマーが二十歳の頃に作ったというスーツをウン十年後の今まさに着ているのを見た(パツパツだったが)。翌朝、体重制限によって諦めかけていた細身のパンツを全力で探していると、ひらめいた。

 エリオット・スミスを聴いていた。「Say Yes」って、チャゲアスと一緒だなー、と昔、物凄く気になった。しかし、ジャック・ブラックの言うように*1、彼は天才、胸が締め付けられる。今は、織田裕二のことを考えている。モッズ・パーカ。いくらスカパラとはいえ、あいつ何なんだろうな、と思わずにはいられない。

 去年の話。