こじつけNIRVANA

 店が閉まっているので酒を止してみた。三日後、腰回りの異様な軽さに調子付き、意味もなく階段を駆け上ったり、人気のない街を二駅半歩いたりして、翌日は両脚の激痛に苦しんだ。さらに何事もなく三日が経過して、断酒は続いている。饅頭を求めて入ったコンビニで、カゴの中へ缶酒をひょいひょい詰め込む人の横顔をねめつけたこともある。

1. NYHCの本にニルヴァーナが出てきた

The two big factors that seemed to end an era for me in 1989 were Ray getting into Krishna and Nirvana's Bleach coming out. Those two things did really change a lot of things for quite a few people, me included.(p.358)

                                            jordan cooper : owner, revelation records

 walter schreifelsも同じ頁で以下のような発言をしている。

I remember touring with Gorilla Biscuits in Europe. Someone gave me Nirvana's Bleach, and I was like, “WoW!” Fugazi was happening at same time, and that was more interesting to me, too. There was something there that seemed more adult that I wanted to grab onto [...].

2.カート・コバーンの日記にハードコアの痕跡を見る

俺はパンク・ロックが広い世界中の何よりも好き。(中略)ハードコアはマッチョすぎて、しかも気後れしてしまうようなルールがたくさんあって、俺はあんまり好きになれなかった。(後略)(p.96)

 とはいえ“Here are some of the Band I like.”と題された頁(p.229)には、いくつかのアメリカン・ハードコアと共に Discharge が出てくる(p.236では「the more i see」の具体的な曲名表記も)。で、「ignorance」Tシャツ。そして、Dirtの文字。Dirt???

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3.UK ANARCHO PUNK の影響について

 もし Dirt が DIRT (band) - Wikipedia  だとして、Discharge『Grave New World』(86年) の音楽性も含めて考慮すると、Fecal Matter(pre-nirvana)や『Bleach』の曲調にアナーコ・パンクの影響が…あるかなあ。そう考えるとメジャー契約後の作品にも Crass の響きが内在するように思えてきた。「Class of 86」という曲*1もあるし。

  ついでながら Crass に関しては、ブルース・パヴィット Bruce Pavitt - Wikipedia に言わせると以下のようになるらしい。(MDC『Chicken Squawk』を評して ロケット誌 サブポップコラム 1984年9月より) 

Like the british group CRASS, MDC is more interested in propaganda than writing a good song. 

 ちなみにクリスはSSD、チャドはHUSKER DUを着ている。デイヴは言わずもがな。

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4.何の確証も得られず

 NIRVANA と ANARCHO PUNKの影響関係について、単なる妄想・牽強付会に過ぎないこともあり、これ以上の考察は断念せざるを得なかった。よって前述した「DIRT」の真意は不明です。今後の課題としたい。

 

おしまい

 

メモ:タッチアンドゴー総集編('79-'83)とフリップサイド10周年記念号('77-'86)にクラスやディスチャージの他にThe Mob や Rudimentary Peni, Conflict 等の記事があった。キャリー・ボルツィロ『ニルヴァーナ デイ・バイ・デイ・クロニクル』(シンコー・ミュージック)によれば81年にカートはメルヴィンズと出会っていて、ブラッグ・フラッグやMDC、フリッパーを教えてもらっている、はず、だがブラック・フラッグのライブを体験したのは84年らしい。カート・コバーン『ジャーナルズ』の p.230(ラフトレード破産の走り書きと前後の文脈から93年の中頃に書かれたか)にフリップサイド、MRR、Forced Exposure なんかがリストに挙げられているけれど、若かりし頃に購読していたかどうかは不明。necros や die kreuzen は好きみたいだけど negative approach や meatmen は見当たらない。NYHC、ボストンクルーはほぼ無視。やっぱりオリンピア経由(友人やKAOS (FM) - Wikipedia なんかも)かも。クラスをスリッツ、レインコーツ、デルタ5、クリネックス等と同じ括り(ラフ・トレードのディストリビューションも怪しい cf. zounds)で捉えていた、けど自身の政治的見解と相容れないため日記への記述は控えた、とか(な訳ないとは思うけど)。Tesco Vee や Dave Simson もクラスの姿勢についてぐだぐだ書いてるし(認めてはいる)。じゃあカートの思想はというと……アナーコ・パンクの音楽的な影響も含めてとりあえず何も分からない。

 

反省1:gee vaucher john heartfield motorhate k records

*1:Fecal Matter - 05 - Class of 86' - YouTube カタカナにすれば一緒