日記

絶対的アグレッション

金曜は風が吹き荒れて、未明に降り出した雨がやがて豪雨となり昼過ぎまで続いた。音量を上げざるを得ない程の雨脚の中、2度目の映画『グリーンブック』、またしても同じ場面で泣いてしまった。政治的な批判を目にした後でも、やっぱり同じところで涙を拭う。…

私の嫌いな私の世代

数日前に半値で買った無糖の紅茶が捨て値で売られていた。今度は六本ひとまとめにされて売り場に山を作っている。一口飲んで甘さに驚いて、何を思ったかお湯で薄めるとさらに香り立ち、これで酒を割ったらさぞかし美味かろうと思っていたのだった。歓喜して…

決死の跳躍

稀に二人が揃って同じ番組を見ることがあった。背筋を真っすぐにして胡坐を組む様を後ろから観察して、相変わらず姿勢が良いなと思った。そのままを口にしてみると、ふふんと笑って胸を反らした。ほっとした自分も実はテレビが気になっている。向かってくる…

ゴーゴー!老化作戦。

目が覚めて、カーテンを開けると窓の外は意外に暖かかった。上機嫌で部屋に入っていくと、ソファから上体を起こして「おはよ」と。「うん。天気も良いし、どっか行く?」誘ってみるも、今日は調子が悪い、すげなく断られすれ違いざま、いやに体臭が濃かった…

芳兵衛とくになし

最近は夜の十時を過ぎると辺りはもう、真夜中の気配がする。帰宅して早々、事故か何かあった?と尋ねるので「特には」と答えた。今日は風が強く吹いたという。列車の走る音がいつもより凶暴に聞こえたそうだ。着替えようとして部屋に入れば、床が散らかって…

ブーンバップ爺になりたい

釜揚げうどんの汁に胡椒を振りかけるのを見咎められ、言い訳として食後のコーヒーが美味くなると答えた。「食べものの話になると饒舌になるよね」嘲笑されて、内心「なにをっ」となったが、昔、スマパンの『メロンコリー~』がお気に入りと小耳に挟み、頼ま…

嘘の人生 pt.Ⅱ

親戚の集まりで久々に正座をした。読経中、何も考えないよう努めたが、どうでもいい事が次々に浮かぶ。今村夏子『星の子』の仕出し弁当のくだり、『あひる』所収の魔剣とんぺいを思い出してマスクの下が動く。 会場は海辺の高台にあって、いや山ン中だな、来…

なんだこれは

昼、古本屋を二軒廻って四冊の安い本を買い、ふと路地に入ったところで何故だか急に悲しくなってしまった。さらにこれまた原因不明の焦燥にも苛まれた結果、仕方なく図書館に救いを求めた。 最新の雑誌を取っ替え引っ替え、ぱらぱらと捲って満足した後は、目…